小坂鉄道レールパークの鉄道車両や設備を維持・保存したり、体験観光の企画運営に協力する小坂鉄道保存会(以下「保存会」)には、地元や県内だけではなく、北海道から首都圏、九州まで全国各地から鉄道ファンの方々が参集しています。
その主なメンバーは、保存会の創設(H25)前の、H7から30年近く、小坂・鉄道まつりなどのイベント開催や保存活動に携わっており、平成20年代後半に「関係人口」という考え方が生まれるはるか前から、小坂町の「関係人口」として精力的に活動してきました。
小坂町の方々は、かつて栄えた鉱山に全国各地の人たちを迎えた経験があるのでしょう、今でも出身地に関わらず分け隔てなく接してくれるので「関係人口」として活躍する皆さんは活動しやすいのだそうです。
保存会のメンバーは、H21に、小坂鉄道を貴重な産業遺産として評価し、永く後世に語り継ぎたいと保存会準備室を設置し、車両整備などの活動を継続しながら地元の関係者とともに小坂鉄道レールパーク構想づくりにも参加しました。
H25には正式に保存会が発足し、小坂鉄道レールパークで機関車運転体験をはじめ、駅員、車掌、保安などの業務や車両の修理など様々な運営を支えてきました。
この数年は、新型コロナの感染拡大などのため保存会の活動を縮小することになりましたが、昨夏は貨車(ワフ28001)の修復に取り組んだほか、休園中の昨冬からこの5月にかけてはディーゼル機関車(DD132)の塗装整備を行いました。月2回延べ31日をかけ、塗装はがしから塗装の下地づくり、塗り直しなどの大仕事から、KOSAKAのロゴの手塗りなど繊細な作業まで、全国各地から10名以上の会員が参加し、新車のようにピカピカに仕上げました。1/1の模型づくりのようだとの声もありました。
今年度の活動は、秋の小坂・鉄道まつり開催のほか、鉄道車両の清掃や草刈りなどの環境整備、旧小坂鉄道沿線の関連団体とのイベント協力、技術研修などを予定しており、次の車両整備では、旅客気動車(キハ2101)の整備のほか、枕木交換にチャレンジしたいと考えています。
6/10~11の小坂町アカシアまつりでは、保存会は明治百年通り沿いのコースでレールバイクを特別運行しました。
沿線は、アカシア木立が続く中、康楽館と常打芝居の幟が連なり、小坂鉱山事務所や天使館を臨む、まつりの主会場である中央公園の賑わいを感じるロケーションです。
4人乗り3台のバイクで花園町駅と永楽町駅との往復約800mの線路を20~30分間隔で運行しました。受付には続々とお客さんが訪れ大盛況です。保存会10数名の皆さんが、搭乗者の受付や発車合図、運行管理を行いました。
岩手県在住で写真集「小坂鉄道」(H5)を刊行した会長の千葉裕之さんは、三重連の機関車が牽引する貨物列車の迫力や、宮沢賢治の童話のような風景に魅せられ、路線営業時は小坂鉄道の振興に、廃止後はその保存と活用に長年関わってきました。この6月のアカシアまつりでは花園町駅の駅長も務めました。
保存会では、この地域を支えた鉄道を、地域の皆さんとともに大事な財産として長く残していけるよう、可能な範囲で積極的に活動して行きたいと考えています。
小坂鉄道保存会ウエブサイト
小坂鉄道保存会フェイスブック(日々の活動や気づきを紹介)
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