農業を通して八峰町に触れる
秋田県の北西部、青森県との県境に位置する八峰町は、沿岸地域のため、左を向けば雄大な日本海があり右には山々が連なる自然の恵みが豊富な場所です。白神山地の秋田県側の玄関口でもあり、多くの登山客やツアー参加者が八峰町に足を運んでいます。そんな八峰町では農林漁業といった地域資源を活用した「半農半X」の取り組みで地域活性化をおこなっています。(※半農半Xとは、田舎に滞在し、自分の仕事を継続しながら農林漁業などでも収入を得る働き方です。半農半Xは昨年から開始され、今年度の参加者を合わせると延べ12名の方が参加しています。)実際に八峰町に3週間ほど滞在し、自分の本業の仕事はワークスペースやバンガローで行い、調整した時間で農林漁業に携わっています。参加される方の多くは首都圏をはじめ、秋田県外在住の方々で「秋田には来たことない!」という方がほとんどです。今回は実際に半農半Xを体験されているお2人にお話しをお聞きしました!
片道約800km「八峰町まで車で来ました!」巽(タツミ)さん
Q:普段はどのようなお仕事をされていますか?
巽さん:「普段は、IT関連の仕事で、ソフトフェア開発やスマホのアプリなどの制作に携わっています。基本的にフルリモートワークで、東京の会社に努めていますが数回しか行ったことがなく、主に住んでいる愛知県名古屋市で仕事をしています。今回の八峰町までは車できました。笑」
Q:八峰町の半農半Xに参加したのはなぜでしょうか?
巽さん:「もともと農業には興味があり、実際にやってみたいと思っていました。本業であるIT関連の仕事で転職を考えた時に、農業についてももっと知りたいと思い探していたところ、仕事をしながら体験できるいい機会をインスタグラムの広告で見つけ、参加しました。」
Q:実際に参加されてみてのご感想は?
巽さん:「私が携わらせていただいたのはネギの出荷作業のところです。受け入れてくれたはっぽう農園の方々が丁寧に教えてくれるだけでなく、普段リモートでデスクワークを中心とした仕事なので、体を動かしての仕事は新鮮でした。また、対人でのコミュニケーションを取りながら仕事ができる環境も新鮮に感じました。どうやったら効率的に作業ができるかなどを皆さんと一緒に考えながら、アイデアを求められたりするやりとりもいい経験になりました。自分の知識が農業に活きる可能性もあるように思えましたし、そのチャンスがあるのは素晴らしいと思います。」
Q:半農半Xはご自身にとってどのような経験になりましたか?
巽さん:「実際に農村地域に滞在することで分かる、課題や自分自身の気持ちの変化に気づきました。体験できるということが普段の生活ではできないことのなので良い経験になりました。特に今回滞在した八峰町は、今後の仕事でも地方に行ったり、何か提案したい時には声のかけやすい場所になりました。プライベートでも来た際は必ず立ち寄りたいです
「漬け物好きですよ!」の一言で大量の野菜が、、。 森川(モリカワ)さん
Q:普段はどのようなお仕事をされていますか?
森川さん「私は神奈川県出身で、今は東京在住です。普段はIT関連の仕事で、WEBサイト作ったりもしますね!仕事がらみもありますが、興味もあって地方移住や古民家バンクなどよく見てます。そこで、今回の半農半Xも見つけてすぐ行くことを決めました!」
Q:実際に半農半Xされてみてどうですか?
森川さん:「実はまだ八峰町に来てから今日で3日目なんです。どこまで自分が農業の手伝いができるのかやってみたくて、到着した次の日に早速農家さん方のところで農作業の手伝いをさせてもらったんですが、ゼロからしっかり教えてくれました。また、私が漬け物が好きでよく食べますとひとこと言ったら大量のお野菜を分けてくれまして。それがまた美味しいんです。初めて会った自分に対して、関わってくれる人たちがとにかく優しくて、これからの期間も積極的に関わりたいと思えました。」
Q:八峰町については以前から知っていましたか?
森川さん:「八峰町のことはよく知らなくて、白神山地のことは知っていました。ただ、青森のイメージがあったんですが、八峰町が玄関口になっていることを知って、必ず滞在期間中には行きたいです。実際来てみて、空気が美味しく感じるのと窓の外に広がる風景に癒されながら仕事も捗っています。」
Q:これからの半農半X期間をどのように過ごしたいですか?
森川さん:「まずは、八峰町に住んでいるこの期間で、地域との関わりを多く持ちたいです。少しだけ地元の人たちとのお話ししましたが、抱えている課題や考えが、自分の想像していないことだったりしていて、悩みや課題のギャップをクリアできるようなことができればいいなと考えています。さまざまな視点が得られるので、いろんな人との出会いを楽しみたいです。」
関係人口と関わることで再認識する地域の魅力! 板谷(いたや)さん
半農半Xの取り組みを支える八峰町観光協会の、板谷さんにも話をお聞きしました。
板谷さん:「半農半Xは、自分の仕事をしながら農林漁業の体験ができる取り組みです。人手の足りない田舎と、農林漁業に興味のある方とのマッチングを目的としています。これまで、12名の方が八峰町に来てくれましたが、中には農家になりたいと思ってトライしてくる方もいます。3週間という期間では体験する時間は少ないかもしれませんが、自分自身の取り組み方によっては、8:2くらいの割合で農業体験をされた方もいます。
半農半Xのいいところは、外部から来た方々を受け入れてくれた地元の方がいて、またその交友関係を広げてくれた仲間たちがいて、交友の輪が広がっていく、自然発生できるところだと思います。また、昨年参加してくれた7名のうち、5名がまた八峰町に来てくれました!半農半Xにはありがたいことに、リピートをしてしまう不思議な魅力があるんだと思います!笑
巽さんや森川さんのような、移住者でも観光客でもない「関係人口」の方々が、地域活動に参加することで、自分達のような地元住民が見えなくなっている地域の良さを気づかせてくれますし、課題に対してポジティブな糸口を見つけてくれたりして、私たちとっても多いにプラスの影響を与えてくれます。半農半Xを通して、皆さんと無理なく楽しく続けていける関係性を築いていきたいです!」
関わる場所 | 八峰町 |
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関わり方 | 交流する・参加する 住む・働く |
この記事に関するお問い合わせ
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