秋田県の北部にある藤里町は、青森県との県境に位置し、県境一帯には標高1000ｍを超える山並みが連なる白神山地があり、山にひっそりと包まれたような自然にあふれる町です。

　いわば県境の行き止まりのようなところに位置する藤里町は、現在深刻な高齢化と人口減少に直面しています。

直感でイイ！と感じた藤里町

　

　
　もともと秋田県大館市出身の佐々木さん。進学や就職で秋田を離れ東京で10年ほど暮らしていましたが、何か新しいことを始めたいと思い、友人と共に秋田に移住を考え始めました。

「淡路商店」との出会い

※左側の建物がオープン前のゲストハウスあわじ商店。昭和の賑わいを思い起こさせる店構え。

　2階には30畳もの広さの和室があり、「こんなところを買ったら何に使うんだろ」と最初は思った佐々木さんでしたが、最終的にその広さに魅了され契約することにしました。

※2階廊下。右側に和室が3室並ぶ。左側には洋室が数室ある。

　今後の展開をよく決めずに行動を始めたものの、この地域に人がまだたくさん住んでいた数十年前までは、お年寄りから子供までが集まるシンボル的な存在だった「淡路商店」に暮らすうちに、この場所に友人を呼んだり、田舎暮らしを体験してもらおうと思うようになりました。

「ここは何もない」地元の人の言葉に気づいた。「ここには全部ある」

※あわじ商店近くの「水神様の大ケヤキ」

　
　「春は山菜採り、夏は鮎釣り、岩魚のつかみ取り、温泉の源泉を汲んできてみんなで足湯をすることもできる。秋は紅葉、きのこの栽培や収穫の体験。田植え、稲刈りなどお米の収穫を楽しむイベント、冬には雪の上を快適に歩けるスノーシューを使った散策イベント、空気が澄んだ時期には星がとてもきれいで、星空を見るツアーもできるんです」

世界でもトップクラスの深刻な高齢化率の藤里町

いい意味でも悪い意味でももったいない場所。だからこそ、「ゲストハウスあわじ商店」に来てほしい。

　※2階にある洋室の一室。

藤里町が持つ魅力をどんなふうに活用できるか、一緒に考えてくれる人とつながりたい

　東京の友人を藤里町へ招待した際、町に近づくにつれ自然がどんどん深まる車中からの景色に、友人が「俺どこに連れて行かれるの？大丈夫なの？」と不安げに言ったそうです。

　そして、「若い人が藤里町で事業を起こし、好きなことをして暮らす人を増やしたい！」と、ITの技術が進化し、住む場所を選ばず働く選択肢が増えてきている昨今だからこそ、自然を大いに楽しみながらこの町に関わる人がどんどん増えてほしいと話します。

※囲炉裏の説明をする佐々木さん

まずはオンラインで。そして藤里町を実際に見に来てほしい

　そんな生活に興味のある人に、まずはオンラインで繋がって、「自然の恵みをフル活用してどんなアクティビティができるのかをイメージしてもらいたい。そして、企画に携わってほしい。さらには企画したイベントに実際に足を運んでもらいたい」と佐々木さん。

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