赤い妖精ハッチョウトンボを皆さんはご存じでしょうか。

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日本最小のトンボとして知られており全長が17-21mm程度と1円玉(直径20mm)とほぼ同じ大きさです。
また生息する環境は草丈が比較的短く水面が見える湿地で1mの活動範囲で5月末頃から8月中旬頃まで活動しています。

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そのため、生息している場所では地表近くに1m間隔でいるため、アキアカネ(通称赤とんぼ、全長32-46mm)のように繁茂しておらず目を凝らしてよく観察しないと確認できません。
秋田県版レッドデータブック2020(リンクはこちら)では準絶滅危惧種として知られており、適度な草刈りをされている休耕田のような場所が生息に適しています。
ハッチョウトンボの保護活動に地域ぐるみで取り組んでいる活動についてお話を伺いましたので紹介します。

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活動の中心となっている寅田さん(左)と住民主体の地域活動組織「東由利公民館住吉分館」の館長嶽石さん(右)

保全活動のきっかけ

 きっかけは生息場所から離れた老方地区に住む寅田さんが10年前に山野草が好きな知人から住吉地区の近くの休耕田にハッチョウトンボがいると耳にしたことでした。現地で驚くほど小さいハッチョウトンボの姿を目撃し、また非常に希少な存在であることを知って、守らなければいけないと強く感じたそうです。また生態について独自で調べ分からないことは近隣の専門家から教えてもらいました。
 その中で寅田さんが分かったことはハッチョウトンボの生息環境に必要なことは自然に任せて環境を守るよりも、ある程度人の手による草刈りをして草の背丈を低く管理することがハッチョウトンボの生息環境にとって大事であるということでした。
 学んだことを生かして寅田さんは、まず試しに一人で保全活動として休耕田の草刈りを行ったそうです。最初は慣れないこともあり草刈りの面積や回数など試行錯誤しながら行った結果、ハッチョウトンボの生息が少しずつ増えていることを実感したそうです。
 しかし、寅田さんには新たな悩みも出てきました。それは、生息環境を保全する取り組みを進め末長く取り組もうとすると草刈り面積の維持や畔など勾配のある畔部の草刈りなどそれなりに人手がいることが分かってきたからです。そこで一緒に活動する仲間について地域の方に相談したところ手伝ってくれる方が現れたのです。

地域住民主体の地域活動組織「東由利公民館住吉分館」の活動へ

 生息地に近い住吉地区で地域住民主体で地域活動に取り組んでいる「東由利公民館住吉分館」の館長嶽石さんは、知人からハッチョウトンボの保全活動に取り組んでいる寅田さんが人手が足りなくて困っているという話を聞き、活動に参画することを快諾しました。理由は自分たちの住んでいる地区の近くに希少なハッチョウトンボがいるということを知り、頑張っている寅田さんの姿勢に共感したそうです。
 4年前から組織として年2回草が生い茂る5月と6月に10人程で1,854m2の草丈をハッチョウトンボが生息しやすい高さに草刈り機で整える活動を行っています。草刈り機で高さを揃える作業は畔などの傾斜地で行うなど慣れていないと難しい上チームでの作業となることからお互いが知っている存在の組織で活動することは地域の意識向上に繋がっていると嶽石さんは語ります。

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保全活動の様子

ハッチョウトンボと求める関係人口

ハッチョウトンボの生息が維持されているのは人の手により維持されている面もあり、地域の方々が主体となって保全活動に取り組んでいる結果であると感じました。今年は、生息区域までの道路が夏の大雨により崩落したりなど活動が困難な時もありながらもハッチョウトンボを「地域の宝」として捉え、大切にしていきたいという姿勢が寅田さんと嶽石さんのお話からよく分かりました。

お二人が関係人口に期待したいことは、ハッチョウトンボが生息している様子を現地に見に来てもらい、PRに協力してほしいということです。

関係人口として関わるきっかけとして5月末~8月中旬にかけてハッチョウトンボを観察してみませんか。そしてその様子をSNSで広くPRしてくださる方を募集しています!

ハッチョウトンボ生息地の行き方

詳しい行き方は由利本荘市観光協会のホームページを参照ください。(URLはこちら

※現場に行く際は、2024年7月の大雨により一部山道が崩落していますので運転に注意ください。また汚れてもよい履物(長くつなど)が良いです。
現地に行かれる際は熊対策もしっかり行ってください。

ハッチョウトンボについてより詳しく知りたい・保全活動に興味がある方

東由利公民館住吉分館館長嶽石さん 電話0184-69-2639

関わる場所 由利本荘市
関わり方 交流する・参加する 仲間になる

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