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秋田県といえば、男鹿半島のナマハゲに代表される来訪神(らいほうしん)行事が有名ですが、県内にはそれだけでなく、各地にユニークな民俗行事が根付いています。
その一つが、集落に疫病などの災いが入らないよう、村の境界や神社などにワラや木で作られた人形の神様(人形道祖神(にんぎょうどうそじん))を祭る行事です。集落では、毎年地域の人々によって作り替えを伴う祭り(人形立て)が行われています。
今回、秋田公立美術大学と秋田人形道祖神プロジェクトは、秋田銀行の協力も得て、大学構内に展示されている人形道祖神「ショウキサマ」の作り替えを、横手市末野集落の人々と学生、市民の皆さんと共に開催するイベントを行います。
また同日、秋田市雄和(ゆうわ)に伝わる来訪神行事「ヤマハゲ」の面とケラ(衣装)作りも行われます。一度途絶えてしまった集落の有志が復活に取り組んでおり、このイベントで制作した面とケラを使って、来年1月に「ヤマハゲ」を行う予定です。
秋田に古くから伝わる民俗行事にご興味がある方は、ぜひこのイベントにご参加ください。

人形道祖神とは

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(左:能代市の「ショウキサマ」、右:横手市の「カシマサマ(鹿島様)」)
人形道祖神とは、疫病などの災いが村に入ってこないよう、集落の入口や神社などにワラや木で作られた人形の神様を祭る民間信仰です。
地域によってカシマサマ、ショウキサマ、ニオウサマ、ニンギョウサマなどと呼ばれており、民俗学者の神野善治(かみの・よしはる)氏がこれらの信仰を総称して「人形道祖神」として分類しました。
人形道祖神は東日本各地に見られますが、とりわけ秋田県の内陸部に集中して分布しています。人形の頭部だけのものを含めると、現在県内150カ所以上で確認されています。
人形道祖神の多くは藁でできた人形です。これらは春から秋にかけて定期的に「人形立て」などと呼ばれる作り替えが行われます。この際、新しい人形を制作するだけでなく、さまざまな形態の祭りが執り行われます。
こうした伝統行事は、現在の人口減少や高齢化により、存続が難しくなっている地域が多く、継承が課題となっています。

秋田人形道祖神プロジェクト

「なまはげだけが秋田じゃない」―こう語るのは、秋田市在住の郷土史研究家・小松和彦(こまつ・かずひこ)氏と、大阪府在住のイラストレーター・宮原葉月(みやはら・はつき)氏によるユニット、「秋田人形道祖神プロジェクト」(ANP)です。二人は人形道祖神の取材を通じて、秋田県に伝わる多彩な文化の魅力を発信しています。
ANPは、小松氏の文章と宮原氏のイラストによる書籍『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)の刊行をはじめ、全国各地での講演会や原画展など、幅広い活動を展開しています。
(秋田人形道祖神公式HPより)
 公式HPでは、道祖神とはなにかを「Q&A」でわかりやすく紹介しています。また、神様一覧で県内の神様をカラフルで親しみやすいイラストで紹介しています。あなたの住んでいる地域や出身地の近くにも神様が住んでいるかもしれません。ぜひサイトや地域、そして今回のような伝統文化に触れられる機会に足をはこんで、「なまはげだけが 秋田じゃない」を確かめてみてください。

イベント情報

みんなでつくる ショウキサマ&ヤマハゲ 復活プロジェクト

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日時:2025年11月22日(土) 10:00~15:00
          23日(日) 10:00~
会場:秋田公立美術大学 本棟前 (秋田市新屋大川町12-3)
イベント概要:
 ①ショウキサマの衣替え:横手市末野集落の方の指導を受けながらショウキサマの作り変えに挑戦します。
 ②妙法のヤマハゲ面とケラの制作:面とケラ(衣装)を制作します。

お申込み・お問い合わせ

秋田人形道祖神プロジェクト
お申込みはチラシのQRのGoogleフォームまたはメール(komatsucraft@gmail.com)から
※今回のイベントは秋田公立美術大学大学院の「複合芸術会議2025プレイベント」として行われます。
関わる場所 秋田市
関わり方 買う・寄附する 交流する・参加する 仲間になる

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