（アトレデルタ内の様子）

「物語り、変化に力を。」

このミッションを掲げ、秋田から新しい風を巻き起こしている企業、それが株式会社アウトクロップ（Outcrop）です。かつて国際教養大学の学生寮で、カメラを片手に始まった物語は今、映像の枠を超え、地域を巻き込んだ大きな広がりを見せています。

物語の始まりは、同大学在学中であった代表の栗原エミル氏が、友人の松本トラヴィス氏と共に制作した映像作品「沼山からの贈りもの」でした。この作品が高く評価されたことをきっかけに、彼らは映像制作会社を共同創業します。社名の「Outcrop」は地質学用語で「露頭」を意味し、映像を通じて地域に埋もれた価値を掘り起こすという彼らの決意が込められています。

彼らの挑戦は映像だけに留まりません。「物語を伝える」だけでなく「物語が生まれる場所」をつくるため、秋田市内に二つの拠点を構えました。秋田駅前には、築120年の蔵を改装した「Outcrop Cinema（アウトクロップ・シネマ）」をオープンし、月に１回、さまざまなテーマから現代社会の問いを投げかけるドキュメンタリーなどの作品を上演しています。一方、秋田市保戸野（ほどの）には4階建てマンションをリノベーションし、カフェや宿泊施設、コワーキングスペースを併設した複合共創拠点「Atle DELTA（アトレデルタ）」を開設しました。

一見バラバラに見える宿やカフェ、シネマといった事業ですが、栗原代表はこれらを「セレンディピティ（偶然がもたらす幸運）を起こすための仕掛け」と語ります。クリエイターや旅人、地域住民が交差することで、新しいプロジェクトが生まれる。そんな地域に根ざしつつ先進性を追求する姿勢が評価され、同社は2025年の秋田県「AKISTA認定スタートアップ企業」にも選出されました。

そして今、彼らが次に取り組むのが「教育」です。進学や就職で若者が流出する現状に対し、栗原代表は「やりたい仕事がなければ作ればいい」と説き、多種多様な大人と触れ合う機会の創出に力を注いでいます。その象徴が、高校生向けの探究型プログラム「DELTA ACADEMY AKITA」です。

これは偏差値や受験テクニックではなく、自分の人生をデザインする力を育む2泊3日の合宿です。国際教養大学の工藤尚悟准教授や地域の起業家たちが集結し、教科書にはないリアルな生き様を高校生たちに手渡します。

映像を作ることも、場所を作ることも、根っこは同じです。そこに新しい物語を生み出したいから。

そう語る栗原代表たちが目指すのは、秋田というフィールド全体を使って人が育ち、挑戦し合う生態系そのものです。あなたも、この物語の登場人物の一人として、aアウトクロップの物語にかかわってみませんか。

開催日程：2026年1月10日（土）〜 1月12日（月・祝）

会場：Atle DELTA（アトレデルタ）

対象全国の高校生（定員15名（応募多数の場合は抽選による選考を行います））

主なプログラム：ゲストトーク、大学生メンターとの対話、自己探究ワークショップ

参加費：29,800円（税込）　※宿泊・食費・教材費込み

詳細・応募：公式Webサイト　・　募集要項をご確認ください。（12/21（日）締切）

問い合わせ： info@outcrop.jp

Webサイト： https://outcropstudios.com/